大判例

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大阪高等裁判所 昭和32年(う)1689号 判決

判決理由〔抄録〕

およそ道路交さ点で、それぞれの停止線の表示があり、警察官が中央整理台上において手信号により交通整理をしている場合に、右交さ点を進行する車馬は、停止線において警察官の手信号に従って停止し、又は進行すべきものである。(道路交通取締法第五条、同法施行令第三条)従って、一旦「進め」の手信号によって停止線を越えて進行を始めた車馬は、これと交さする道路を通行する車馬が「止れ」の手信号によって阻止せられていることを期待し得るのであるから、そのまま普通の速度で進行し得べきもので、この場合にも何時にても停車し得るよう徐行すべきであるというような一般的注意義務を要求されるものでないといわなければならない。(大審院昭和九年七月一二日判決、刑集一三巻一、〇二五頁参照)この理は、右折して進行しようとする車馬についても同様であって、手信号に従って右折進行しようとする車馬は、手信号の制止にかかわらず、敢えて前方から直進し、又は左折しようとして自己の進路に出ずる車馬があることを予想し、それに対処して予め何時でも停車し得るよう徐行して進行する義務があるとすることはできない。この結論は、手信号による交通整理の行われていない交さ点における通行順位に関する道路交通取締法第十八条の二第一項本文の反対解釈からも明らかに認められるところである。

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